ポストゴールデンエイジ(13歳頃)

骨格の急激な成長がみられる時期です。この急激な体の変化により、身体の支点・力点・作用点に狂いが生じてきます。いままで、できていたことが急にできなくなるスランプ状態を招くことが多々あります。選手たちに、簡単に説明するときは『軸がずれる』と言います。いままでの体の中心がずれるというイメージです。この時期を『クラムジー(Clumsy)』といいます。これまで目立たなかった選手が頭角を現したり、スター選手が平凡な選手になったりします。この時期は、ホルモンの分泌が著しくなり、速筋線維の発達を促し、より強く発揮することができます。一方、新しい技術取得が難しい時期です。
しかし、基本練習をしなくていいというわけではありません。一度身に付けた技術は、裏切りません。基本技術取得こそが小学生年代のメインテーマと考えております。『自転車に乗る』という技術を例に挙げるとわかりやすいかと思います。一度自転車に乗ることができると、何年間も乗っていなくても自転車に乗ることができます。オランダの英雄『ヨハン・クライフ』は、「わたしは、サッカーに必要な技術は14歳までに身につけた」と言っています。
また、第二次成長期を迎えるとオーバーユース症候群と呼ばれるスポーツ障害が起きやすくなる時期でもあります。運動中に痛みを感じたら、すぐに運動を休むことが大切です。
6年生になると、冒頭に述べた悩みを持つ選手が出てきます。クラムジーという時期である場合がほとんどかと思います。ぜひ、選手が悩みを打ち明けたときは参考にしてください。ただし、『クラムジー』なのか『トレーニング不足』なのかを見分けることも大事かと思います。